女性の性器は造りが複雑でとてもデリケートなものです。それに性交や月経、排尿、排便と刺激を多く受けやすい場所でもあります。

放置すると重大な病気につながったりしますが、清潔を保っていれば十分予防できる症状もあります。

日本国内に多い感染症や病気のごく1例をご紹介します。症状に心当たりがあればすぐに病院での受診をおススメします。

膣・外陰部の病気

からだの抵抗力が落ちた時になりやすいのが膣の炎症です。性感染症でも膣や外陰部に異常があらわれます。

膣炎

おりものの量が増え、悪臭をともない、黄色、茶褐色、緑色など感染した細菌の種類によってさまざまな色になります。

腫れや痛みが外陰部にまでおよび、排尿時に痛みがあったり出血したりします。

原因…膣は通常自浄作用があり、外部からの病原菌の侵入や繁殖を防いでいますが、病気や疲労などでこの作用が弱まり、普段から膣内に存在している常在菌のバランスが崩れると炎症がおこりやすくなります。

外陰炎

感染による感染性外陰炎と、アレルギーやかぶれによる非感染性外陰炎の2つに分けられます。

外陰炎の特徴は外陰部の湿疹やかゆみです。歩行時のこすれ、排尿時、性交時などは特に痛みがつよくなります。

原因…外陰部は本来炎症を起こしやすい場所ではありませんが、おりものや月経血、尿、便などさまざまな刺激を受けるため不潔な状態が続くと炎症を起こします。

感染性のものではブドウ球菌や大腸菌などの常在菌が原因です。外陰部を不潔にしていたり、乱暴なセックスで傷ができたりすることから感染を起こします。

外陰脂肪腫

外陰部の脂肪組織が増殖してできる良性の腫瘍です。恥丘や大陰唇などの皮下脂肪の多い部位にできやすい丸くてやわらかいしこりで、さわると弾力があります。

原因はわかっていません。

小さいうちは気付きにくいですが、大きくなってくると異物感を感じたり、歩行困難になったりします。悪性のことはまれですが、腫瘍に気づいたら悪性か良性か婦人科の診察を受けることをお勧めします。

外陰搔痒症

病気ではなく、外陰部周辺にかゆみがある場合を総称した呼び方です。患部をかきむしってしまうと湿疹、潰瘍ができることもあります。

原因…さまざまありますが、下着や衣服との摩擦などが考えられます。

妊婦や肥満の人の場合、摩擦で太ももがこすれるためその奥の外陰部まで摩擦でかゆくなってしまうこともあります。

性感染症

近年、男女間での乱れた性行為による性感染症は増加傾向にあります。治療法が確立されていないものや不妊症を招くおそれもあるので、自分の体は自分で守るよう心がけてください。

HIV感染症

HIV(ヒト免疫不全ウィルス)に感染して起こる病気です。一般的にエイズ、エイズウィルスとよんでいます。

感染するとウィルスによって免疫機能が破壊され、からだの抵抗力が低下します。すぐに発病するわけではなく、感染後、症状があらわれない状態が6カ月~15年ほど続きます。

この時期をキャリアとよびます。

感染して1~3週間後に軽い風邪のような症状が出ることもありますが、あまり気付かれません。

発病後は肺炎やカポジ肉腫(皮膚がんの一種)、口腔、気管、食道のカンジタ症、痴ほう症状などさまざまな症状があらわれ、やがて死に至ります。

原因…血液、精液、膣の分泌液、リンパ液など体液を介して感染します。輸血や血液製剤による感染が社会問題になりましたが、もっとも多い感染経路はセックスです。

ほかの性感染症にかかっている場合、性器の粘膜がただれ感染しやすくなります。

クラミジア感染症

日本国内でもっとも多い感染症で、最近急増している感染症でもあります。

自覚症状が少ないため、感染が広がり蔓延する傾向がみられます。

1~3週間の潜伏期間を経て、子宮けい管に感染し、子宮けい管炎、子宮内膜症、卵管炎を起こします。

しかし、症状が軽いため、感染を自覚することが少ないようです。

おりものの増加、下腹部痛、セックス時の痛みがみられるケースもあります。

原因…クラミジアトラコマチスという微生物に感染して起こります。

とくに10~20歳代の女性に圧倒的に多くみられます。

性行為によって感染しますが、オーラルセックスによる男性性器から女性の咽頭への感染も増えています。

不感症

不感症とは医学的には認められている言葉ではありません。一般的に性的な刺激に対して何も感じない、または興奮しないということです。

また何度試みてもオーガズムに達しないという場合も不感症といわれることもあります。

男性の場合は勃起障害や極端な遅漏にあてはまります。

ただ、これは個人の性的嗜好にも大きく関わる問題で、見当違いな刺激を与えても興奮することはできません。

自慰行為では達することができるのに、パートナーとの性交渉では達することができないこともあります。

また夫婦生活の長いパートナーの間では、マンネリ化により不感症に陥るケースもあるようです。

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